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STRAWBERRY★LION

とりあえず生きてますΣd(-ω-`d)
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4

山を降りる頃には、夕方になっていた。山のふもとにある村に入る。

この村には幾度か父と訪れたことがあった。食料以外の必要なものはこの村で買っていたのだ。この村に降りてくるときはいつも宿に泊まって翌日帰る日程だった。

村の様子はいつもと変わらない。

「よぉ。坊主。今日は1人で来たのかい?」

いつも買い付けに行く店の主人が声をかけてくる。少年は頷いた。

「そうか。今日は何がいるんだい?」

「いや・・今日は買いに来たんじゃないよ。」

「そうなのかい?どうしたんだ、坊主。まさか家出?」

「まさか。」

少年は苦笑した。

「冗談だよ。」

「あ、そうだ。おじさん。」

「うん?」

「あのさ・・怪しい人・・見なかった?」

「怪しい人?」

少年の質問に店主は眉根を寄せた。

「何でそんなこと聞くんだい?」

「ちょっとね・・。」

「強盗でも入られたか?」

「まぁ・・そんなとこ・・。」

曖昧に返事する。

「そうかぁ。でもわしは見とらんなぁ。」

「そう。ありがとう。」

「いやいや。すまんなぁ。役に立たんで。そうだ、坊主。これ、持ってけ。」

そう言って店主は果物をくれた。

「ありがとう。」

「気を強く持てよ。わしでよけりゃいつでも相談乗るから。」

「ありがとう。」

「ご両親によろしくな。」

その言葉に胸が痛んだが、頷いて少年は店主と別れた。

その時ロッピーは少年の肩越しに店主を見た。

一瞬だったが店主の顔が歪んだのが見えた。いつもの優しい顔ではなく、冷徹な顔つきになったのをロッピーは見逃さなかった。
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