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STRAWBERRY★LION

とりあえず生きてますΣd(-ω-`d)
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5

少年は村を見て回ったが、変わった様子はなく、両親を殺した犯人の手がかりは全く見つからなかった。

少年はポケットを探った。家の中で見つけた石のような、何かの欠片のようなもの。

何となくかざしてみるが、特に変わったものでもない。

「何だろうね、これ。」

ロッピーも首を傾げている。

その時、騒がしいのに気づいた。少年はその現場に近づいた。

「出てけ!」

「お前なんかが居たら、この村がダメになる。」

村人が誰かに暴言を吐いてる。

「あの・・でも・・。」

か細い声が聞こえた。マントを被っていたのでよく分からなかったが、女の子だ。

「でもじゃない、とっとと出て行くんだ。」

「現にお前の師匠とやらは、居なくなってるじゃないか。」

少女が泣き出しそうなのに、少年は気づいた。

「おい。」

「あ?何だ、小僧。」

「お前もこいつの味方か?」

「味方とか敵じゃない。見っとも無いだろ?大人が寄ってたかって女の子虐めるなんて。」

「ぐっ。」

「大人げないことしてる暇あったら、仕事したらどうだ?それとも俺とやりあうか?」

少年は大きな剣をちらつかせた。村人たちは舌打ちしながら去って行った。

「大丈夫?」

少女に声をかける。

「ありがとう。」

少女は泣き出しそうな笑顔を見せた。

「あたしの家、この近所なの。お礼もしたいから寄って行かない?」

「ピィー。」

ロッピーは少女の肩に飛び乗った。

「あ、こら。ロッピー。」

「かわいい。貴方の?」

少女の問いに頷いた。

「あたしはマリア。魔法使いの見習いなの。」

「俺はルカ。あの山の上に住んでる。」

「そうなんだ。あたしの家はこっちよ。」

少女はそう言ってルカを家まで案内した。
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