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STRAWBERRY★LION

とりあえず生きてますΣd(-ω-`d)
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41

久しぶりに食べるまともな食事を、ルカとシュンは無言で食べた。

「ピィ。」

一口食べ、ロッピーがしゃべった。

「ん?どしたの?」

マリアが問うと、ルカが説明を加える。

「おいしい、ってさ。」

「そっか。良かった。いっぱい食べてね。」

「ピィ♪」

嬉しそうにロッピーが言う。

そしてまた沈黙する。そこでマリアは会話を切り出した。

「おじいさん、どうしてあっちの通りとこっちの通りでは人の多さが違うんですか?」

気になっていたことを問う。

「・・・この通りには魔物が住んどるんじゃ。」

「魔物?」

「そうじゃ。人を食う魔物が居る。」

「えっ。」

おじいさんの言葉に一同動揺が走る。

「と言う噂が流れたんじゃ。」

「噂・・?」

「ある時期を境にこの通りの若い者が数人行方不明になってな。最初は何処か旅に出たんだと言っておったんじゃが、数日後、また人が消えての。それが・・寝たきりだった老人までもがじゃ。それで人食いの魔物が居ると誰かが噂して、この通りから人が居なくなったんじゃ。」

「居なくなったのは・・この通りの人だけ?」

「あぁ。何故かは分からんがの。」

ルカの問いに頷く。

「じゃあ・・どうしておじいさんはこの家にまだ住んでるんですか?」

マリアの問いに、おじいさんは少し間を置いて口を開いた。

「家族を・・待って居るんじゃよ。」

「家族を?」

「あぁ。ワシの家族全員居らんようになってしもた。ワシの妻と息子の妻が最初に消えた。そして孫が消え、息子も消えた。ワシは家族を待っておる。もし戻ってきたときにワシが居らんかったら心配するじゃろ。」

おじいさんは遠い目をして話した。

「ごめんなさい。変なことを聞いて。」

マリアが謝る。

「いいんじゃよ。でもおぬしらも気をつけた方がええ。魔物に食われたら、二度と戻って来れんかもしれん。」

「はい。」

おじいさんの注意を素直に聞いた。
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