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STRAWBERRY★LION

とりあえず生きてますΣd(-ω-`d)
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1

どれくらいの時間が経ったんだろう・・。辺りは白みがかって来ている。

少年はまだ震えが止まらなかった。何とか立ち上がり、家の中に入った。当然男たちは居なくなっていた。

目に映ったのは、惨殺された両親の死体。部屋中に血が広がっていた。

悪夢なんかじゃなかった。目の前には冷たくなった両親が居る。

「父さ・・ん・・・母さ・・ん・・・。」

少年は両親の遺体の前に力なくひざまづいた。2人の手を握る。冷たい。

父の頬に触れた。あの優しかった笑顔はもう見れない。

今度は母の頬に触れた。暖かいあの料理はもう食べられない。

少年の膝にポタポタと涙が落ちた。溢れる涙を堪えるなんてできなかった。

それまでになかったくらいに声を出して泣いた。

一晩にして両親を亡くし、その意味さえも分からずに、少年はただ泣くしかなかった。

2人を助けられなかった。自分が逃げるのに必死だった。

あの時、自分が犠牲になってでも、助けに行けば・・こんなことには・・・。

そんなことを今更悔いても仕方がないことは分かってる。

でも・・ただ悔しくて、悔しくて、大声で泣き叫んだ。



涙も枯れ果て、少年はただ呆然としていた。

ここは山の奥。近所に人なんて居ない。少年は生まれた時からここに住んでいた。

その時ふと思い出した。辺りを見回す。

「ロッピー。出ておいで。」

その声に反応したのか、物陰から猿に似たモンスターが出てくる。ロッピーと呼ばれたそのモンスターは、少年が怪我をしているのを見つけ、手当てしていたら懐いてそのまま一緒に暮らしていた。大人しい性格のモンスターなので、人間に危害を加えるようなことはなかった。

「無事だったんだね。」

足元に駆け寄ってきたロッピーを抱き上げた。

「ピィー。」

抱き上げられたロッピーは、少年に頬擦りした。その温もりに触れた少年は、やっと安心した。



落ち着いた少年は、両親を家の近くに埋葬した。その間に考えていたこと。

『絶対見つけ出して、殺してやる。』

そう固く心に誓った。
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